どうも脱線おじさんです。
令和6年春の情報処理安全確保支援士試験に1発合格できたので、
午後問題が統合された新方式による変化について考察していきたいと思います。
それでは本題に触れてまいります。
動画版
動画で流し見したい方はこちらをどうぞ~
目次
本記事の目次です。
自己紹介
私の自己紹介はスライドの通り。
詳細は下記の記事にてまとめてあります。
①統計データ
初めに情報処理安全確保支援士の合格率について、データを見ていきましょう。
直近5回分の合格率の推移をグラフで載せてみました。
ご覧のように19~21%の合格率をしていたのですが、令和6年春は18.3%とガクッと下がっている事が分かります。
これは直近10回分の情報処理安全確保支援士試験の中で過去最低の合格率でして
これより低い合格率だった回は、平成30年春と久しいです。
単純にデータの動きだけで見ていくと、他の高度区分試験と同様に合格率を20%未満にしていこうとIPAが調整してきたように見えます。
情報処理安全確保支援士は他の高度試験と違って、
年2回実施で合格率が従来は20%程度だったので、初めて高度試験に挑戦するのにお手軽だったり、
私のように応用情報合格後にステップアップして挑戦していく人が増えてるので
単純にライバルが増えた以上、落とされる数も増やしてきた、そんな感じがします。
②難化したか
難化したか、という点についてですが
結論から申し上げますと、難化していると思います。
表面上の話をすると、午後問題統合により午後1、午後2と午後試験で2つの関門が
用意されていた時代よりもチャンスがあるように見え、易化したように見えましたが
全くそんなことは無かったです。私も舐め腐っていたんで、試験後の帰り道は顔面ブルーレイでした。
ひとつ恩恵があると思ったのは、解答時間の余裕は応用情報よりも大分ありました。
4題から2題を選んで解くだけなんで、選択する問題に迷ったり手戻りが発生するといった運要素が排除されたのは良いですね。
新方式の初回である令和5年秋は、文字数制限無しの自由記述問題があったのが衝撃的で、
当然今後も新パターンとして想定されるので、対策を私もしましたが、
同様のパターンは令和6年春では全くなかったです。
明らかに試験の傾向がブレブレになっていると思いました。
今は新方式での試験運用を試験段階中なのかと、思いますね。
実験動物にされる我々、受験者はたまったものではないですけど。。
とはいえ試験の傾向がブレて難化・易化したら、従来は点数調整が入り、例年通りのレンジである合格率になるようにされてきました。
今回はその得点調整が、前回よりも合格率が3%も落ちる調整にしてるのが意図的に見えます。
SNS等でも今回の結果で55~59点の人が結構いたように見えます。
多分、合格率20%台の従来の調整であれば合格していた層が落とされた感じがしますね。
つまり、難化していったと考えられるということです。
③捨て分野は作れる?
捨て分野は作れるか?という点についてですが、極力作らない方が良いです。
捨て分野、捨て問を作りたい気持ちは分かります。
応用情報の午後試験が代表的ですが、自分の得意とする分野で勝負して
苦手は捨てるという戦略が情報処理試験ではコスパが良いのは否定しません。
実際に私も、この情報処理安全確保支援士に関してはセキュアプログラミングという開発メインの分野については完全に捨てていました。
しかし今回の試験では午後は3/4問が開発寄りのプログラミングありきで
インフラエンジニア殺しといっても過言ではない内容でした。
またインシデント管理を論点としたテーマのような、マネジメント要素の問題で得点して逃げ切るという文系人間が狙いがちな戦略を潰しにきてる感じがしました。
今後はテクニカル要素、具体的にはスクリプトやコマンド制御、ログの判読能力といった実力がないと太刀打ちできなくなっていくのではと思いました。
新方式になり、午後問題統合がされることも素直に喜べる要素じゃない気がしました。
今までの数ある午後問題の分野、重点対策本では10分野ほどに区分けされていますが
今後はそれらの様々な分野が午後問題4問に集約されていくという流れが有り得ます。
つまりヤマを張るというのは危険行為に近いきがしてなりません。
実際に私が今回の新方式を受験し、前述したようにプログラミング・開発をテーマとした出題から逃げられずに問題を選択して挑みましたが、
完全にプログラミング・開発に特化した出題だったかというと、そうでもなかったです。
前半の問題はボロボロでしたが、後半にはインフラの観点で記述して誤魔化せるような内容も混ざってはいました。
要するに、捨て問が作れなくなった反面、苦手な分野が出てきても、その問題の一部には自分が得意とする分野が混ざっている可能性が考えられるということです。
以上のことから、捨て問は極力作らないで挑んだ方が良いと考えられます。
④今後の対策
今まで、お話してきた内容を踏まえて、今後の対策について私見を述べます。
結論、しばらくは確立された試験対策法は無いと言えます。身も蓋もないですけど。。
今後はAI関係等も試験範囲となっていくので、未知数なんですよね。
コスパ良く合格したいならば、しばらく様子見をしても良いかもしれません。
確立された対策法が無い以上、最短ルートで合格を狙うというのは危険です。
他にも受けたい試験があるといった事情があるなら、私だったら情報処理安全確保支援士は後回しにする戦略を選びますね。。
すぐにでも挑戦したいという方は、従来の試験対策法で挑んでみて良いと思います。
これだけ怖がらせる事を申し上げましたが、例えば初見殺しの変化球がきたとしても
そういった問題は、どうせ殆どの人が解けません。つまり得点調整が入るので実は影響が無いです。
この試験は相対評価の試験ですので、60%の正解に焦点をあてるのではなく
成績上位に入るにはどうしたらよいかという点を考慮すれば良いので、
誰も解けない問題は無視で良いです。
今後の対策として、周囲と差を付けていくのにオススメなのが
Java、LPIC、Oracle、CCNAなどのベンダ資格の勉強もはさんでいき、広範囲な知識を備えていくことがあります。
実際に私はこれらのベンダ資格も全て取得しました。
結果として、これらのベンダ資格で学んだコード判読力やコマンド制御、正規表現といった要素が血肉となり、咄嗟の記述で得点をすることで、どうにか私は合格できました。
そもそも高度情報試験は、そういった広範囲に知識を持つ人間であることも要求されてきますので、ある意味で王道のやり方かもしれません。
そこまでやると労力が凄まじいですが、高度情報試験まで極めようとするなら検討してみましょう。
以上、新方式の情報処理安全確保支援士の考察でした!
以上になります。読了ありがとうございました。
読者の皆様の合格をお祈り申し上げます!!