どうも脱線おじさんです。
第三種下水道技術検定の合格法について取り挙げたいと思います。
この資格の魅力ってザックリ申し上げますと以下になりますね。
②電気・機械・化学の知識を広く浅く学べる
③下水道施設の管理責任者になるには必須
その名の通り、下水道設備について広く浅く学ぶ資格になります。
その特性から下水道設備に関連した建築・設備の業界において転職に有利といえます。
下水道施設で使用される電気・機械設備のほか、下水を化学的に洗浄や脱臭する手法を学ぶことになります。範囲としては類似する設備資格よりも広いかもしれないですね。
民間資格ですが、下水道管理者になるための条件のひとつとして下水道法22条にて指定されている資格ですので、実質的に国家資格に等しい地位を築いているのがポイントの高いところ!
関連資格として、危険物取扱者や電気工事士がございます。どちらも当サイト内で紹介しておりますので、あわせてご覧ください。
第三種下水道技術検定は真面目に約1~2ヶ月程度勉強すれば独学合格は可能だと思います。
それでは詳細に触れて参ります。
試験概要
下水道技術検定の種類について
種類 | 内容 |
第一種 | 下水道の計画設計を行うために必要とされる技術 |
第二種 | 下水道の実施設計及び工事の監督管理を行うために必要とされる技術 |
第三種 | 下水道(処理施設、ポンプ施設)の維持管理を行うために必要とされる技術 |
上の表のように下水道技術検定については3種類ありますが、いずれも分野が違います。
他の資格と違って全て独立性があり、上位互換あるいは下位互換という関係性はないです。
設計や管理をするならば、第一種あるいは第二種が受験対象でしょう。
既存の施設の維持管理をするならば、第三種が受験対象となります。
当記事では赤文字にしている第三種下水道技術検定について取り扱っていきます。
受験資格
特になし。誰でもお手軽に受験できちゃいます。
試験日程
毎年11月に実施されます。
試験内容
科目 | 概要 |
下水処理 | 下水、汚泥等の処理に必要な知識を有すること |
工場排水 | 工場及び事業場からの排水ならびに排水が下水道に与える影響に関する一般的な知識を有すること
除害施設の機能及び構造に関する一般的な知識を有すること |
運転管理 | 処理施設及びポンプ施設の運転その他の管理に必要な知識を有すること |
安全管理 | 処理施設及びポンプ施設の安全管理に関する一般的な知識を有すること |
法規 | 下水道関連法規に関する一般的な知識を有すること |
試験内容は上記の通り。広く浅く学べばだいたい解けます。
赤文字にした「下水処理」「工場排水」は計算問題が出題されますので、文系の方は要注意。ただし計算問題はパターンが決まってるので、しっかりと学習したら得点源にできます。
SVやMLSSといった聞きなれない単位や用語を学ぶので、最初は苦痛でしょうが根気よく学習していってください。ストレートな問題が多く得点源にできる箇所なので頑張りましょう!
難問奇問は計算問題以外の項目で出題されがちなので、計算問題を捨てずに味方につけておきたいですね。計算問題を捨て問にすることはおススメできません。
計算問題以外は、下水の適切な管理方法や設備の運転方法などを論点にした出題が多く、適切な選択肢あるいは最も誤っている選択肢を選ぶといったものが大半です。
あとは出題文の中に適切な語句を埋める穴埋め問題もそこそこでてきます。「法規」は特に穴埋め問題形式のパターンが多いです。
出題形式
四肢択一式のマークシート方式になります。全部で60問出題されます。
試験時間
3時間15分になります。時間はめちゃくちゃあまります。
ゆっくりと慌てずに全ての問題を見直しても大丈夫です。計算に自信がない方は計算問題を何回も見直ししても時間に余裕があるので安心してくださいね!
あと面倒なのが、試験時間最後までいないと試験問題を持ち帰れません。カンニング防止等の措置でしょうね。こればかりは仕方ない。。
合格基準
70%前後の正答が合格ラインです。
ただし、年度によって合格基準は変動します。
例年、おおよそ成績上位30%に満たない者は不合格にするという調整がされるのが怖いところ。。
合格率
合格率は30%前後に例年、調整されています。
資格の難易度としてはやや難しいですね。
範囲が広い、試験対策本が限定されている、年1回しか実施されない性質による過去問の焼き回しの少なさ、そして成績上位30%のみ合格させるという調整
これらの要素を考慮すると、やや難しいという評価になりました。
受験申請のやり方
書面あるいは電子申請。
詳細は地方共同法人 日本下水道事業団の公式HPから確認してください。
試験手数料
9200円です。ちょっと高い気がしなくもない。
勉強時間
初学者の方=約100時間
上記のように人によって勉強時間は異なると思います。
機械・電気・化学と法規も学ぶ必要があるので、学ぶ範囲は結構広いです。関連資格を所持している方と実務経験者は有利でしょう。
具体的な関連資格としては、他の危険物取扱者・電気工事士・冷凍機械責任者・消防設備士・ボイラー技士・衛生管理者・酸素欠乏硫化水素危険作業主任者などですね。
結構関連資格は多いんじゃないかと思いました。これらを取得・勉強中の方は得意分野が何かしらあって有利なはず。
初学者の方は、幅広い分野をイチから学ぶのは結構負担なので、勉強時間を多めに見積もった方がいいです。
当時、電気工事士や消防設備士などの関連資格を取得していた私は「1日平均3時間勉強 × 30日」で第三種下水道技術検定に合格しました。
共通して言えるのが、成績上位30%しか合格できないという特徴に留意することです。つまり競争試験です。自分が高得点でも周りがもっと点がよければ落ちます。
競争試験であるという特徴から、試験だけでなく、他の受験者との差別化もする必要があります。ですので下水道技術検定の必要な勉強時間は多めに見積もらせて頂いております。
人によって勉強の進捗は異なると思うので参考程度に…
学習期間は「建築・設備・化学系の資格取得者および実務経験者=1~2ヵ月」「初学者の方=2~3ヶ月」をおススメします。
勉強方法
②再度、参考書を読む。意味を理解する事を意識して復習。
インプットした項目を問題集で確認もしながら復習すると良い。
③問題集を3周する。解説を読んでも理解できない事は参考書で確認。
④苦手な問題を入念に復習する。
ぶっちゃけ、①~③までやり込んだら合格圏内です。
④以降まで努力できたら80~90%以上、本試験で得点も間違いないでしょう!
確実に1発で合格したいのであれば、手は抜かずに④まで徹底してやりましょう。
下水道技術検定のポイントとして、過去問をやり込むのは正攻法です。
しかし、過去問では正解を学ぶだけでなく、全ての選択肢について細かく考察して「なぜこの選択肢が正しいか・間違っているか」という「なぜなぜ分析」を徹底できるかが合否の分かれ目です。
本試験を受けて感じましたが、過去問をストレートに焼き回ししているのは少数です。
過去問をベースに出題されてるが、論点や選択肢をひねったものが最も多いと私は感じました。
よって過去問の全ての選択肢を徹底解明する勉強を心がけることをおススメ致します。
学習期間によってインプット&アウトプットの加減は異なると思うので、自分が学習しやすいスタイルを模索してみて下さい。あくまで上記の方法は参考程度に。
私は上記の方法により第三種下水道技術検定に合格しました。
自己採点では51/60問でした。私の受けた年度は44/60問以上が合格ラインだったみたいですね。なかなかハードルが高い。。
資格試験の勉強方法については以下の記事にまとめております。あわせてご覧になって頂けると幸いでございます。
おススメの書籍
テキストと問題集をそれぞれ1冊ずつ用意すれば大丈夫です!
おススメの参考書
私は「下水道第三種技術検定試験合格テキスト」を使用しました。
文字が大きくて図や表のレイアウトも凝っていて学習がしやすかったです。
章ごとにチェックリストがあり、頻出事項を整理できるので要点を把握しやすかったのが良い!
文系の方は難所である計算問題についても、特化して対策をまとめている項目があるので安心して学習できます!
同シリーズの問題集の質も良く、セットで学習する効率性の高さを見て、こちらを使用しました。期待通りの効率性の高い参考書で大変お世話になりました!
おススメの問題集
問題集はおススメのテキストと同シリーズの「下水道第三種技術検定試験攻略問題集」を使用しました。
テキストと同様に、分類別にまとめられてるので反復学習がしやすいです。
また前述したテキストと同シリーズですのでリンクして学べます。テキストでインプットした内容をすぐに問題集でアウトプットして知識の定着化を図るのが効率的で素晴らしいです!
試験当日の心構え
・どうしても暗記し難い箇所は、試験直前に瞬間記憶で誤魔化す。
試験開始までの間にできる事はこれくらいですね。それ以上の無駄な抵抗はやめましょう。
また、試験時間に余裕はあります。計算問題もじっくりと何回も解き直してミスがないか入念に確認して確実な合格を目指しましょう!
合格発表
試験終了から1ヵ月前後すると合否結果が地方共同法人 下水道事業団の公式HPで分かります。
合格後は…
合格していた場合は、合格証書が郵送されます。
・更にステップアップして関連資格に挑戦したい
上記のような素晴らしい向上意識をお持ちの方もいらっしゃると思います。
そういった方々には以下の関連資格への挑戦をおススメ致します。(上から順におススメ)
資格名 | 特徴 |
第2種電気工事士 | 試験範囲に重複があるので効率的に取得可能! |
2級ボイラー技士 | 試験範囲に重複があるので効率的に取得可能! |
危険物取扱者乙種4類 | 試験範囲に重複があるので効率的に取得可能! |
また上図を目安に、他カテゴリの資格へと進出を検討するのも良いでしょう!
以上になります。読了ありがとうございました。
読者の皆様の合格をお祈り申し上げます!!