ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)の勉強方法

不動産系資格

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どうも脱線おじさんです。
ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)の合格法について取り挙げたいと思います。
この資格の魅力ってザックリ申し上げますと以下になりますね。

①不動産・設備業界で転職に有利
②設備の知識を広く浅く学べる
③ビルマネ、プロパティマネジメント業務に必須

その名の通り、ビルを管理する上で必要な知識について広く深く学ぶ資格になります。

その特性からビル管理に関連した不動産・設備の業界において転職に有利といえます。

ビル管理業界では、ビルメン三種の神器の1つと言われるくらいに強力な国家資格です。

強力な国家資格なだけに難易度も高め。ビル管理士よりも易しめのビルメン4点セットに合格できるくらいの実力は前提としてないと合格は厳しいでしょう。

難しいと感じたらビルメン4点セットから、勉強をはじめましょう。

ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)は真面目に約3ヶ月以上、勉強すれば独学合格は可能だと思います。

それでは詳細に触れて参ります。

要点まとめパワポ&動画

要点をまとめたパワポと動画も作成しました。あわせてご覧ください。

 試験概要

受験資格

次の用途に供される建築物の当該用途部分において
環境衛生上の維持管理に関する実務に業として2年以上従事された方

項目 用途
興行場(映画館、劇場等)、百貨店、集会場(公民館、結婚式場、市民ホール等)、図書館、博物館、美術館、遊技場(ボーリング場等)
店舗、事務所
学校(研修所を含む。)
旅館、ホテル
その他アからエまでの用途に類する用途

受験資格は上記となります。

自分の職場が実務経験にカウントされるのか分からない場合は、(公財)日本建築衛生管理教育センター国家試験課に電話で問い合わせましょう。悩むくらいなら聞いた方が早いです。

また、職場の同僚に受験者がいたら聞いてみるのも良いのではないでしょうか。

試験日程

毎年10月に実施されます。年1回だけだから1発で合格したいですね。。

試験内容

科目 出題数
建築物衛生行政概論 20問
建築物の構造概論 15問
建築物の環境衛生 25問
空気環境の調整 45問
給水及び排水の管理 35問
清掃 25問
ねずみ、昆虫等の防除 15問

試験内容は上記の通り。膨大な知識を深く学習しないと合格できません。。

また各科目で1科目でも4割未満の成績があると足切り不合格です。表中の赤文字にした科目は、出題数が15問しかないので足切りで落ちる人が多いです。

実際に試験も足切り狙いが多いです。つまり、出題数が少ない科目ほど難易度が高い出題が多いので入念に学習していきましょう。過去問暗記だけの勉強だと99%落ちます!

以下、各科目について補足していきますね。

科目① 建築物衛生行政概論

科目 出題数
建築物衛生行政概論 20問

この科目は暗記メインですね。

建築基準法や建築物衛生法をメインに、法定基準等を勉強していきます。

雰囲気的には危険物取扱者でいう消防法、電気工事士でいう電気工事法を学ぶ要領に近いです。技術的な要素は皆無なので易しい。

ただし、本試験での出題数は20問と少ないため、足切り狙いで難問が出題される可能性が高いです。

よって過去問は100%マスターするのは大前提で、更に変化球がきても対応できるようにするべし。

科目② 建築物の構造概論

科目 出題数
建築物の構造概論 15問

この科目も暗記メイン

主にコンクリートの種類を筆頭に様々な材質、それと建築図面記号を学びます。

本試験では15問しか出題されません。つまり、足切り狙いの難問は99%出ます!

だから難問以外の問題は100%正答できるくらいに勉強をしましょう!

この科目は、不動産資格の宅地建物取引士や管理業務主任者と重複してる箇所がありましたね。

出題されるパターンも宅建試験などに似てました笑

科目③ 建築物の環境衛生

科目 出題数
建築物の環境衛生 25問

この科目も暗記がメインで、少し計算問題があります。

人体の各器官の機能や病気の原因といった保健体育っぽい内容を暗記します。

また様々な気体や放射線についても暗記していくことになります。

計算問題としては、騒音の計算が例年出題されます。ただしパターンは決まってるので過去問を10年分以上やりこめば解けます。頭を使う要素は無いです。

出題数は25問もあるので、足切りにひっかかることもないでしょう。難問が出題されても、ストレートな問題で得点できていれば大丈夫!

この科目は衛生管理者に内容が似てました。私はビル管理士合格後に、知識を流用して衛生管理者もセットでラクラク合格できました!衛生管理者とセットで勉強すると効率的!

科目④ 空気環境の調整

科目 出題数
空気環境の調整 45問

この科目は試験範囲が尋常ではなく広いです。

暗記がメインですが、計算問題もそこそこ出題されます。

ボイラーや冷凍機、またそれらを制御する電気設備の勉強がメインです。

環境測定の知識も必要ですので、様々な測定器の勉強も必須です。

計算問題としては、湿度計算や換気量計算が例年出題されます。

ちょっと最初は意味不明な感じのする計算問題ですが、これも粘り強く10年分以上やり込むと解法が分かってきます。いきなり解けなくても大丈夫です。

出題数は45問あるので、足切りにひっかかることは無いでしょう。

ただし試験全体の合計点は、ここで稼いでおきたいところ。

ビルメン4点セットを取得されてる方は、すでにボイラーや冷凍機の知識があると思います。この科目はかなり有利に進められることでしょう。

関連記事として、ビルメン4点セットの合格体験記がございます。あわせてご覧ください。

科目⑤ 給水及び排水の管理

科目 出題数
給水及び排水の管理 35問

この科目は暗記メインですね。

飲み水である浄水、下水道に流れる下水、厨房やトイレから流れてくる排水などの

さまざまな水、それにまつわる法定基準や設備の知識を学ぶことになります。

具体的にはポンプ・配管・水槽などの設備を勉強していきます。

かなり数字を暗記する作業が多いのが厳しいところ。。

でもガッツリ勉強したら暗記科目なので報われやすいです。

難問は少ないので得点源にできる科目!

配管や水まわりの勉強をするので、消防設備士・ボイラー・下水道技術検定の知識があると有利ですね。管理業務主任者や賃貸不動産経営管理士とも重複してる学習科目です。

関連記事として当サイトでも解説してます。あわせてご覧ください。

科目⑥ 清掃

科目 出題数
清掃 25問

この科目は暗記メインですね。

掃除機の種類、床材などの清掃対象の材質の知識、廃棄物を処理する時に必要なマニュフェストなどを学ぶことになります。

身近な掃除機などから学んでいくので取っつきやすい科目だと思います。

本試験でも難問は少ないです。ストレートな出題を確実に抑えていけば大丈夫です。

試験範囲もさほど広くないので、得点稼ぎをするならコスパの良い科目!

科目⑦ ねずみ、昆虫等の防除

科目 出題数
ねずみ、昆虫等の防除 15問

この科目は暗記メインですね。

ドブネズミ、ハツカネズミなどのねずみの種類や、ダニ・ハエ・Gなどの生体、また害虫を駆除する薬剤や対処法などを学んでいきます。

参考書で図やイラストを見てると気が狂いそうになります。とくにG。

Gの勉強をする国家資格ってなかなか無いと思うんですよね笑

出題数は15問だけです。よっと難問が出題されて足切り狙いをされる可能性が99%あります。

ストレートな出題は100%解答できるのを前提にやり込みましょう。

出題形式

5肢択一式のマークシート方式になります。全部で180問出題されます。

試験時間

試験時間 科目 出題数
午前(3時間) 建築物衛生行政概論 20問
空気環境の調整 45問
建築物の環境衛生 25問
午後(3時間) 建築物の構造概論 15問
給水及び排水の管理 35問
清掃 25問
ねずみ、昆虫等の防除 15問

午前と午後に分かれて、それぞれ3時間ずつです。

慌てずに全ての問題を見直しても大丈夫です。計算に自信がない方は計算問題を何回も見直ししても時間に余裕があるので安心してくださいね!

合計6時間の試験で、長丁場なので集中力が継続できるかどうかも問われるところ。。

合格基準

科目 出題数 合格基準
建築物衛生行政概論 20問 8問以上の正答
建築物の構造概論 15問 6問以上の正答
建築物の環境衛生 25問 10問以上の正答
空気環境の調整 45問 18問以上の正答
給水及び排水の管理 35問 14問以上の正答
清掃 25問 10問以上の正答
ねずみ、昆虫等の防除 15問 6問以上の正答
合計点
117/180問以上の正答

合格基準は上表の全条件を満たしてる時。

文章に言い換えると以下の2つの条件になります。

①各科目で全て40%以上正答していること
 ②全体の合計点で65%以上正答していること

合計点の65%を満たすという条件は簡単だと思います。

怖いのは40%未満の科目を作って不合格になるパターン。

近年は15問しか出題されない「建築物の構造概論」や「ねずみ、昆虫等の防除」で足切り狙いの難問で落ちる人が多い。。

合格率

合格率は20%未満を推移しています。

資格の難易度としては難しいですね。また、絶対評価の試験ですので救済措置もありません。

本当の難関回だと、かつては合格率9%の回(2006年度)もありました。マジで容赦ない。。

難易度の高さは宅地建物取引士と良い勝負をしてるかもしれない、といった体感。

受験申請のやり方

書面申請のみです。受験資格の証明書類が必要ですから必然。

詳細は公益財団法人 日本建築衛生管理教育センターの公式HPから確認してください。

試験手数料

13,900円です。高いですが、それだけ挑戦する価値は間違いなくあります!

勉強時間

関連資格所持者=約300時間
上記以外の方=約500時間

上記のように人によって勉強時間は異なると思います。

ビルメン4点セットや、宅地建物取引士・管理業務主任者などの関連資格所持者は有利です。勉強中に知ってる内容もあってショートカットもできる可能性があるでしょう。

逆に、関連資格のレベルの知識がないと相当難しいです。

どちらにしろ、8割以上の人が落ちる試験なので難関資格であることに変わりは無いです。

じっくりと勉強する腹積もりでいきましょう。過去問丸暗記で受かる時代は終わりました。

学習期間は「関連資格所持者=3ヵ月以上」「それ以外の方=4ヶ月以上」をおススメします。

学習する量が尋常ではなく、深く知識を問われる内容が多いです。

6ヵ月以上かけて、長期戦で挑んでも良いと思います。

ビル管理士試験の勉強方法

・テキストを1冊購入し、知識を導入
ビル管理士総合情報.comさんの出題傾向とポイントを熟読
YAKU-TIKさんで過去問10年分の全選択肢を理解
・赤本の解説でより深く補完学習
・足切りが怖い科目は青本、テキストで補完学習
ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)

ここまで試験勉強をやり込み、思考力を養えば合格率10%前後の難関回でも安定して合格できると思います。

ビル管理士はマイナーな資格なので、良書が少ないです。

私は書籍での勉強よりもPCやスマホでビル管理士総合情報.comさんやYAKU-TIKさんでの学習が8割以上でした。この2つのサイト様のおかげで合格できたといっても過言ではないです。

「赤本をやり込めば合格できる」と提唱される方が多いと思いますが、赤本の解説は初学者には読み難く学習モチベーションが保てないと思いますね。

その点、ビル管理士総合情報.comさんやYAKU-TIKさんは初学者でも理解できるように解説が丁寧で学習がしやすいので赤本よりおススメです。

また、分野・科目ごとに勉強していきたいという方は黒本もおススメですね。

私も赤本は買いましたが、YAKU-TIKさんに載ってない解説や論点を補完する為だけに使いました。といってもあまり使ってないですが。。

以上の勉強方法で、私は148/180点でビル管理士試験に1発合格しました。

私が合格した際の合格体験記も当サイトで記載しておりますので、あわせてご覧ください。

おススメの参考書籍

まず知識導入用に入門用テキスト1冊、次に黒本やYAKU-TIKさんで問題演習

最後に赤本を購入して知識を極める、これで挑めば準備万全です!

おススメの通信講座



「JTEX」工業系資格に特化した通信講座サービスです。

どうしても独学では不安、誰かに教えて貰いながら勉強したいという方におススメ!

工業系資格に特化してるだけあって、教材の信頼性は高いです。価格も良心的でコスパ良!

おススメのテキスト

私が実際に使い込んだテキストは「ビル管理士合格テキスト」です。

内容は青本や赤本の内容から重要なものを抜粋した簡易テキストみたいな感じ。

いきなり問題演習などをしても意味不明で挫折するので、こちらのテキストを簡単に読み

知識をまずは導入して学習ハードルを下げていくのが良いと思いました。

また、こちらの「ラクラクわかる!ビル管理試験集中ゼミ」もおススメです。

前述した「ビル管理士合格テキスト」と内容に大差は無かったので、どちらか1冊で良いと思います。使い方も同様ですね。

こちらは設備系資格の参考書出版実績の高いオーム社の書籍なので、他の資格勉強でもオーム社の書籍に慣れてると相性が良いと思いますよ!

おススメの問題集

問題集は、いわゆる赤本といわれる「ビル管理士模範解答集」がおススメです。

問題の解説の手厚さがこれほど丁寧な問題集はないでしょう!受験するなら必須です!

もはや過去問がそのまま出題される時代は終わりました。ですから赤本の過去問を覚えるだけでなく、解説の内容を理解して応用力を養成していきましょう。

また、黒本といわれる「分野別問題集」もおススメです。

私も過去問演習1回目はこちらを使用しました。

テキストでインプットした分野を、すぐにアウトプットして学習していくスタイルで進めていきたい方は用意する価値が高いと思います!

試験当日の心構え

・試験会場までの移動時間に、苦手・不安な分野の最終チェック。
・どうしても暗記し難い箇所は、試験直前に瞬間記憶で誤魔化す。

試験開始までの間にできる事はこれくらいですね。それ以上の無駄な抵抗はやめましょう。

また、試験時間に余裕はあります。計算問題もじっくりと何回も解き直してミスがないか入念に確認して確実な合格を目指しましょう!

合格発表

試験終了から1ヵ月ほど経過すると合否結果が公益財団法人 日本建築衛生管理教育センターの公式HPで分かります。郵送で結果も通知されます。

合格後は…

合格していた場合は、免状交付申請をすると、合格証書が郵送されます。

・せっかく身に付いた勉強習慣を失いたくない
・更にステップアップして関連資格に挑戦したい

上記のような素晴らしい向上意識をお持ちの方もいらっしゃると思います。
そういった方々には以下の関連資格への挑戦をおススメ致します。(上から順におススメ)

資格名 特徴
宅地建物取引士 法律をより詳細に学べる。試験範囲が重複!
賃貸不動産経営管理士 宅建より少し簡単。試験範囲が重複!
管理業務主任者 設備をより詳細に学べる。試験範囲が重複!
FP技能士3級 税処理を筆頭に試験範囲が重複!
日商簿記3級 会計処理スキルのためにセットで欲しい!
脱線おじさん

 

また上図を目安に、他カテゴリの資格へと進出を検討するのも良いでしょう!

 

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以上になります。読了ありがとうございました。
読者の皆様の合格をお祈り申し上げます!! 

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