どうも脱線おじさんです。
電気通信工事担任者(総合通信)の合格法について取り挙げたいと思います。
この資格の魅力ってザックリ申し上げますと以下になりますね。
②法律上、電気通信工事担任者しかできない業務がある
③短期間学習でも合格可能
電気通信工事担任者は、電気通信回線に端末設備、又は自営電気通信設備の接続工事を行い、又は監督をする場合に必要となる国家資格です。

具体例としては光ファイバーを用いて、電話機やPCを接続するケースなどがございます。
電気系の資格に見えますけど、ルーターやプロトコルといった通信知識も必要なのでIT業界でも取得すると評価されたりします。私の前職のIT企業でも褒賞金対象でした。
余談ですがIT業界にいた時も、ラックの構成図や機器調達で使用電力などを設計書としてまとめることがあったので、この資格で取り扱ってることは結構やってました笑
よって、設備・IT業界でのニーズが高い国家資格となります。
真面目に約1~2ヶ月勉強すれば文系理系問わず、独学合格は可能です。
それでは詳細に触れて参ります。
試験概要
試験の種類

引用:日本データ通信協会
電気通信工事担任者は、種類が色々とあります。

「なんや?種類おおくてよー分からん」って方は、このベン図の認識でOK!
当記事では「総合通信」について解説していきます。
受験資格
どなたでも受験できます。学生から社会人まで受験者層は幅広いと思います。
試験日程
年2回。例年、5月と11月に実施されてます。
試験科目
科目 | 出題数 | 合格基準 |
電気通信技術の基礎 | 22問 | 60%以上 |
端末設備の接続のための技術及び理論 | 50問 | 60%以上 |
端末設備の接続に関する法規 | 25問 | 60%以上 |
上記3科目で、すべて60%以上正解する必要があります。一部の科目だけ合格した場合は、次回から科目免除ができます(ただし3年以内の期限付き)
科目ごとに補足していきます。
電気通信技術の基礎
「電気通信技術の基礎」だけ出題数が中途半端ですね。
配点が4点と5点の箇所が分かれてるのが原因です。で、5点くれる問題はだいたい計算問題。。

計算問題は「電子回路」が主要です。電流・電圧・電力と増幅率などを用いた計算もあります。
たまーに電験クラスのキチガイ問題が出ますけど、それきたら捨てて良いと思います。そこまで対策するのは費用対効果がよろしくない。。
それと、2進数やブール代数の計算問題も出題されます。情報処理試験をはじめとした、IT系の勉強をしたことがある人は得点源です。知らないと結構キツイかもしれない。。
これらの計算問題は配点が高いので捨て問にするのはNGです。
計算問題は、パターンが決まってるので過去問やって理解してればストレートに得点できるので頑張りましょう!
計算以外の問題も出ますけど、簡単かと思いきや難問奇問で意地悪してくる可能性が高いです。
まあ科目の趣旨からして、計算問題で得点できないなら合格させたくないという意思を感じます。。
端末設備の接続のための技術及び理論
「端末設備の接続のための技術及び理論」は、試験範囲が最も広いので勉強時間の大半はこれになるんじゃないかなぁと思います。
内容はアナログ電話網、ISDN、ネットワーク技術、トラヒック理論、セキュリティ、物理的な配線工事の知識、施工管理などなど。。
計算問題も「電気通信技術の基礎」ほどではないですが出題されます。
計算問題の代表的な具体例としては
「トラヒック理論」で回線利用率などの計算
「物理的な配線工事の知識」で配線の必要長さ計算
「施工管理」でアローダイアグラム(スケジュール日数)の計算
上記のような内容が出題されます。
50問出題されるので、計算問題の配点は2点です。最悪、捨て問にしてもセーフ。。
ただし、この科目もやはり計算問題の方がストレートな出題が多いので確実に合格したいならばキッチリと過去問演習で対策しておきたい。。
実体験として、本試験で私は計算問題は満点でした。
間違えたところは計算問題以外の、初見で意味不明な用語を聞いてくる文章問題でしたよ。。あからさまに計算問題以外の嫌がらせが多い!
この科目は広く浅く学習すれば良いと思います。深く突っ込むとキリがない。。
何かしら実務経験や前提知識のある分野であれば、あえて深く突っ込んで得点源として確保するという戦略はアリです。私はネットワーク系の分野は実務経験があったので、そうしました。
端末設備の接続に関する法規
「端末設備の接続に関する法規」は計算問題は無いので暗記ゲーです。勉強してると眠くなる。。
具体的な内容としては
配線の規制や基準
セキュリティの定義
これらの条文の正誤問題や虫食い問題がメイン。
特に虫食い問題は完全に暗記ゲーなので、過去問で頻繁に出てくる内容は目に焼きつけることを意識しておきたいですね。
よくある引っ掛けは
「電気通信事業法と有線電気通信法の内容を逆にしたり混ぜてくるパターン」
「不正アクセス禁止法電子署名法の趣旨を逆さにしたパターン」
この引っ掛けパターンが特にいやらしいので、「いま学んでいる法令は、どの法律の管轄なのかをマッピングしながら学習する」ということがポイントですね。
とはいえ、満遍なく対策しようとすると範囲が膨大なので過去問ベースでOK!
過去問で取り扱ってる論点を主軸にテキストで関連知識を補強していくと間違いがないです。
出題形式
マークシート方式
試験時間
全科目受験の場合、160分になります。
科目免除を利用した場合は、短縮されます。免除しようがしまいが時間は余ると思います。
合格率

合格率は約30%となっておりますね。
ただし、これは科目免除者も含めた全体の合格率なので鵜呑みにしてはいけない。。
3科目受験者の合格率は15%前後
2科目受験者の合格率は25%前後
上記のように低い合格率となってるため、科目合格狙いで挑む人が多いと思います。
1発合格狙いだと難しめ、科目合格で段階的に狙うなら普通の難易度といった印象。
試験回ごとに、「この科目は易しめだった」「前回よりも難しくなった」といった難易度のブレによる科目のアタリハズレはあると感じました。私の受けた回は法令が例年より難しく感じましたね。。
まあ科目合格前提だとしても、長期学習になるから難しい方かと思います。。
受験申請のやり方
「一般財団法人日本データ通信協会」で案内されてるCBTポータルサイトで申し込む。


CBTポータルサイトで作ったアカウントのID・パスワードは控えておきましょう。
合格発表をネットで最速確認したいならば、CBTポータルサイトでログインする必要があるので要注意です。どっちみち郵送で結果は届くので忘れても大丈夫ですけどね。
試験手数料
5600円です。
勉強時間
電気・ITいずれかの経験者=約60時間
電気・ITどっちも知ってる!=約40時間
上記のように人によって勉強時間は異なると思います。
電気工事士のような電気的な素養があるか、情報処理試験のようなITの素養があるかによって勉強時間はかなーり変わる印象。
電気・ITの素養のどちらか、あれば大幅にショートカットできます!
どちらもない場合は、電気分野では回路の問題、IT分野では2進数やブール代数の問題といった計算問題対策が最大障壁となるので勉強時間を多めに取る必要があります。
私は「1日平均3時間勉強 × 14日」で合格できましたが、当時は関連資格の「電気工事士、無線従事者」や「情報セキュリティマネジメント、CCNA」の知識があったので有利に受験できました。
学習期間は2ヶ月前後をおススメします。
電気とITどちらも知ってるよ!という方は1ヵ月以内でも行けると思いますけど、それでも油断してると1発合格は難しいと思います。
勉強方法
②再度、参考書を読む。意味を理解する事を意識して復習。インプットした項目を問題集で確認もしながら復習すると良い。
③問題集を購入し、3周する。解説を読んでも理解できない事は参考書で確認。
④苦手科目を入念に復習する。
①~③は科目単位で取り組むのが無難です。
合格基準で触れましたが、いずれかの科目で正答が60%未満だと不合格です。
④で苦手科目から逃げずに克服しましょう。
特に計算問題ができるかできないかが合否の分かれ目ですので、キッチリと対策しましょう。
かなり試験範囲が広いので、「こりゃ試験まで間に合わない。。」と感じたら科目合格に狙いを絞ってもいいと思います。全科目いっぺんに狙って戦略破綻するよりもマシ。。
学習期間によってインプット&アウトプットの加減は異なると思うので、自分が学習しやすいスタイルを模索してみて下さい。あくまで上記の方法は参考程度に。
私は上記の方法により自己採点で下記の得点で合格できました。
端末設備の接続のための技術及び理論:78点
端末設備の接続に関する法規:80点
なお本試験の点数は通知されません、あしからず。

資格試験の勉強方法については以下の記事にまとめております。あわせてご覧になって頂けると幸いでございます。
おススメの書籍
参考書と問題集を1冊ずつ用意しとけば十分です。
参考書と問題集について、それぞれおススメをご紹介していきますね。
おススメの参考書
私のおススメは「工事担任者総合通信標準テキスト」ですね。
この1冊で3科目すべての出題内容が網羅されてます。科目別テキストも出版されてますけど、こっちの方がお勧めですね。
そもそも、このテキストだけでも膨大な量。情報量が足りないと思ったためしは無かったです。
章ごとに確認問題があるので、そこで問われる内容もイメージできるのも利点です!
全部理解しようとしなくても大丈夫です。テキストの内容は過去問以上に難解で細かく書いてあるので、ある程度読んだら過去問メインでよいと思います。
おススメの問題集
問題集は「工事担任者総合通信実戦問題」がおススメです。
章ごとに、要点をまとめたテキスト部分がかなり便利!
前述した標準テキストだけだと試験範囲が広すぎてピントがぼやけた感じがしますが、
この問題集の要点まとめ部分で何を主軸に勉強すればいいのか、分かるので問題演習前に毎周テキスト部分は熟読してました。
「じゃあ標準テキストいらないじゃん。この問題集だけでよくね?」って声も聞こえますが、それはちょっと試験対策としては危ないかなと思いました。
問題集のテキスト部分だけではカバーしきれない箇所も結構あるので、問題が理解できず手詰まりになった時は標準テキストに戻るという工程が必要でしたので。。
問題の解説に図表を多く使用しており、丁寧な解説で分かりやすいです。
選択肢ごとに解説もされてるので、「なぜこの選択肢が正しいのか、間違ってるのか」といった細かく勉強して理解を深めていくのにも最適な問題集です。
ボリュームも過去問5回分なので十分です。これ1冊が解けるなら合格圏内間違いなし!

特典PDFの予想模擬試験の品質もかなりの物です!私も本試験前の総仕上げに利用しました。
試験当日の心構え
・試験会場までの移動時間に、苦手・不安な分野の最終チェック。
・どうしても暗記し難い箇所は、試験直前に瞬間記憶で誤魔化す。
試験開始までの間にできる事はこれくらいですね。それ以上の無駄な抵抗はやめましょう。
全問題を一通り解答・見直しをしても時間は余ります。
つまり解答スピードは重要ではないです。
急がず焦らず、見直しを丁寧に、ケアレスミスを回避して合格を勝ち取りましょう!
合格発表
②郵送される試験合格通知書
どちらかで確認する事になると思います。
①についてはだいたい3週間後に合格発表が行われます。受験申請の項目でアナウンスしましたが、ネットで最速で合格確認をしたいならばCBTアカウントは忘れないように控えましょう!
②も①の発表から間もなく郵送で通知が届きます。2日後くらいに届きました。
合格後は…

合格通知のハガキが届いたら、免許交付申請をしましょう。

・更にステップアップして関連資格に挑戦したい
上記のような素晴らしい向上意識をお持ちの方もいらっしゃると思います。
そういった方々には以下の関連資格への挑戦をおススメ致します。(上から順におススメ)
資格名 | 特徴 |
第2種電気工事士 | 危険物取扱者乙種4類と並ぶコスパ最高の国家資格! |
危険物取扱者乙種4類 | 試験範囲が重複している定番国家資格。取って損は無し! |
第3種冷凍機械責任者 | 年1回の試験なので機会があれば挑戦しておきたい。 |
消防設備士 | 設備管理(ビルメン)を目指すなら取得しておきたい! |

また上図を目安に、他カテゴリの資格へと進出を検討するのも良いでしょう!
以上になります。読了ありがとうございました。
読者の皆様の合格をお祈り申し上げます!!